- あそこのおうちの子も受験をするみたい…
- 受験したほうが将来は安心?
- 小さい頃の教育で全てが決まる?
- あそこの子はもう掛け算ができるみたい…
お子さんを持つお母さんでしたら、近所のママ友の会話でこういったことを聞いて不安になることもあるんじゃないでしょうか?
受験を乗り越えたことそうでない子は、たしかに短期的に見ると、ものすごい成長の差を感じて、勉強ができないことを実感すると、子どもの将来が不安になってしまうこともあるかと思います。しかし、受験はあくまでも成長のための手段です。
そこで、お子さんをもつお母さんが持つべき教育のスタンスや、これからの時代に必要とされる教育などについてお話していきたいと思います。
受験は必要なのか?
お子さんに受験をさせる親御さんは、様々な理由や目的でお子さんに受験をさせるかと思います。
家柄的に医者家系で、子どもも医者にさせるために小さいうちから勉強させたり、自分が勉強してこなかったのを悔やんで子どもに勉強させるためだったりと、いろんな方から理由を聞きましたが本当に様々でした。
そういった個別の理由に関してはぼくの立場ではなんともいえませんが、長く教育に携わってきたものとして言えることは「学歴を手に入れるための受験は価値が低い」と思います。
多くの人が高校なり大学を卒業した後に一般企業に勤めることになるかと思います。
学歴というのは、入社の時点では企業に入りやすくなる切符となりますが、その後にその人が仕事でうまくいったり、社会から必要とされるかどうかであったり、幸せに生きられるかどうかなどは、学歴などと全く関係ありません。
求められるものが変わってきている
高度経済成長〜昨今の社会(会社)では、従順で素直で、我慢強さ・忍耐がある人へのニーズが高い時代でした。しかしこれからの時代、こういった能力だけの人はどんどん仕事はなくなっていくでしょう。
それはなぜかというと、人工知能(AI)やコンピュータにそれらの仕事が取って代わられるからです。成長著しいこの分野は、人間の仕事をどんどん奪うでしょう。
かつて改札口で切符を切っていた駅員さんは自動改札機に取って代わったように、こういった交代・代替はどんどん起こっていきます。
しかもマシーンは人間と違って疲労しません。文句も言わないしミスもしません。
要するに、人間が我慢してきてやりたくなかったことをどんどん代わりにやってくれるようになったのです。
この変化に気づいてなくて、従来の成功パターンの「学歴を手に入れるため」に受験を考えているのであれば、良かれと思って施した教育が、子どもの可能性を狭める危険性を高めるかもしれません。一度立ち止まりましょう。
これからの時代に求められるもの
先程言ったように、これからはどんどん人工知能やマシーンに人間の仕事は取って代わられることで、人間に求められる要素は変わってきます。
これからの時代、大きく2つの要素が強く求められる時代になってきていて、それは「探究心」と「価値観の多様性」です。
なぜ「探究心」が求められるのか
まず一つ目の探究心。なぜこれが求められるかというと、「インターネットの影響」です。
インターネットの普及のおかげで、調べたいことを調べたいときに好きなだけ調べられる時代になりました。料理のレシピや、パソコンの専門知識、住所や、最新のニュース、プログラミング、絵の描き方など、調べて出てこない情報は今やほとんどなく、ぼくらは知識をインターネットで共有できるようになりました。
そのため、「あなたは知っているけどあなたは知らない」というような情報の差がなくなる時代になってきました。なぜなら調べればだいたいのことはわかるからです。
そうなることで、求められる人間の質も変わってきてます。今まではまんべんなくなんでもできるしなんでも知っているという人が重宝されてきましたが、いまは何かに特化した人が重宝される時代になってきました。
それらしくいうと、Generalists(ゼネラリスト:広く浅い)からspecialist(スペシャリスト:狭く深い)な人が重宝される時代になりました。
今の時代、求められるのは知識ではなくて、なにかを突き詰めてやってきた「経験」です。
こういった狭く深い知識や経験を持ったスペシャリストを育てるためには、徹底的に「好きなことをやらせ続ける」ことです。
それが昆虫でも、ゲームでも、車でもなんでもいいので、その子の好きを阻害しない環境が、最高のスペシャリストを育てます。
なぜ「価値観の多様性」が求められるのか
これからの時代は人工知能やマシーンによって人間が避けたい仕事はそれらにとって代わられ、人間はより人間らしい仕事や能力が求められる時代になってくると思います。というかもうすでになってきています。
Tou Tuberが最近どうしてあそこまで認知されたかというと、自分の素性をすべてさらけ出して、その人の人間らしさを伝え、なおかつそれでお金が稼げるということに「自分もそうなりたい」という願望を抱きやすいからです。
インターネットや様々なサービスのおかげで、会社に勤めなくても生きることができるんだということが常識となりつつあります。それに比例するように「好きなことで生きていきたい」という潜在的な欲求を持った人がとても多くなってきています。
そんな時代に「いい大学を出て、いい会社に勤めて、良い給料もらって、将来は年金で安心して暮らす」なんていう前時代的な価値観を持つ人は少なくなり、より良く生きるための多くの機会を見逃すことにもなるでしょう。
そういった時代背景なので、これからはいろんな考えや価値観をもつ人の多さが急増します。そんな時代で幸せに生きるには「そういう人もいるんだ」と、違いを間違いではなく、違いを単なる違いとして受け止めることができる器の大きさを持っておくことです。
最後に
人間らしく、違いを違いとして認め、好きなことを追求して生きていく。これからの幸せの価値観はそういった方向性にシフトしてきています。
受験を通して得られるものは当然たくさんあります。ですが、その目的を本当に考え抜いてください。
受験は本人はもちろん、それを支える親御さんもとても大変で辛いことが多いです。
したくもない努力をし続けていたら、得られるものもありますが、当然失うものもあります。ふと「なんのためにこんなに勉強しているんだろう」と考えてしまっても、時間は帰ってきません。
ぜひ本人のための最良な選択となるきっかけになればいいなと思って書いてみました。お子さんの幸せを願ってます。
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